
「この子を、最後まで笑顔で犬生を全うさせてあげたい。」
その想いが、私の原点です。
はじめまして。ドッグサロン「犬と私」代表の大坪 建哉です。
18歳の頃、将来の夢なんてありませんでした。
ただ一つ、「誰にも奪われない技術を身につけたい。」そんな思いだけで、この業界に飛び込みました。
就職したペットショップは想像以上に厳しい環境でした。
朝早くから夜遅くまで働き、新店舗の立ち上げを何度も任され、休日も仕事のことばかり考える毎日。
店長、課長、部長と順調に昇進しましたが、心のどこかではいつも思っていました。
「この働き方は、本当に幸せなんだろうか。」
仕事に追われる毎日で、大好きだった犬と向き合う時間より、数字や売上を追う時間の方が増えていました。
その頃の私は、「犬のために働いている」のではなく、「仕事をこなすために犬に触れていた」のかもしれません。
だから独立を決意しました。
独立すれば、すべてがうまくいく。
そう思っていました。
でも現実は甘くありませんでした。
安くすればお客様は来てくれる。
広告を出せば予約は埋まる。
そんな考えで始めたお店は、思うようにはいきませんでした。
価格で選ばれ、価格で離れていく。
自分が目指していたトリマーとは違う。
何度も悩みました。
「このまま続けていて意味があるのかな。」
そう思った日も、一度や二度ではありません。それでも辞められなかったのは、一頭一頭のワンちゃんがいたからです。

ある日、いつものようにトリミングをしていると、小さな違和感を覚えました。
ほんの小さなしこり。
「念のため病院で診てもらってください。」
その一言が、その子の命を救いました。
後日、飼い主様から言われた言葉があります。
「気付いてくれて、本当にありがとうございました。」
その瞬間、私は確信しました。
可愛くカットすることは大切。でも、それ以上に大切なのは、この子が元気に帰ること。
この子が、また来月も笑顔で来てくれること。
それが私の仕事なんだと。
実は私は、お客様のワンちゃんの写真をずっと残しています。
亡くなってしまった子の写真を一冊のアルバムにして、ご家族へお渡ししたこともあります。
涙を流しながら、
「こんなにたくさん写真を残してくれていたんですね。」
そう言っていただけた時、トリマーという仕事は毛を切る仕事だけじゃないと改めて感じました。
美しくカットをする仕事
思い出を残す仕事。
命に寄り添う仕事。
家族を支える仕事。
私はそう思っています。

娘が生まれてから、私の人生はもう一度大きく動き始めました。
「挑戦する背中を見せられる父親でいたい。」
その想いが、二店舗目『犬と私』をつくる決意につながりました。
このお店の名前には、私の願いが込められています。
犬も幸せであってほしい。
そして、その隣にいる”私”──飼い主様にも笑顔でいてほしい。
どちらかだけでは、本当の幸せにはならないと思うからです。
だから私は、トリミングだけを提供するつもりはありません。
カットのこと。
健康のこと。
食事のこと。
年齢による変化。
不安なこと。
どんな小さなことでも相談できる場所でありたい。
「困ったら、まず犬と私へ。」
そう思っていただける存在になることが、私の夢です。
大切な家族を預ける場所だからこそ、人で選んでいただけるトリマーでありたい。
その想いを忘れず、今日も一頭一頭、心を込めて向き合っています。
